2018年12月01日

「滝山コミューン一九七四」原 武史 講談社

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えっと本書の存在を知ったのは立花氏の本だったかな? それとも5ちゃんねるのスレだったかな?
車で新小金井街道を走っていると滝山団地というところを何度か通り、記憶の片隅にあった地名が別な視点から光が当たり、えっ、なんか有名なの?って感じで本書のタイトルが気になっていたのですが、たまたま、図書館で本書を見かけて読んでみることにしました。

日教組はまあ、左翼系の集まりなのは知っていましたが安保闘争とかの余韻が残っている時代の話ですかねぇ~。
まさに共産系の匂いが漂う、ある種異様な教育現場の生々しい雰囲気が感じられるお話です。
しっかし、本書に書かれていることが事実ならば、よくもまあ、そんなことやっていたし、やらせていたよなあ~と驚き、呆れるばかりです。
呆れるというか、寒気がしますけど・・・。

でも・・・時代背景やその地域の特殊事情を考えるとあり得る話ではあります。

著者が受けた四谷大塚の試験、おそらく・・・私も小6の時だったかな?
公文の先生にお誘い頂いて、わざわざ都内まで出て受けた覚えがあります。
試験の結果に衝撃を受けて、それが遠因か中学から塾通いをし始め、東大目指すことになったのですが・・・(もっとも合格してませんが)、私も都内から引っ越してきて、土地の閉鎖性というか、もうなんというか都内と地方の思考方法ギャップに嫌ってほど苦しんだしなあ~。

立場上、生徒会の役員に立候補する羽目になったり、クラスの代表委員とかなっても辞めるとか言ったり、修学旅行も行くのを取りやめようとしたり・・・いろいろあったなあ~。

とにかく中学(学校、教師、生徒、行事その他)が大嫌いで周りの人が誰もいない(いかないorいけない)、学区制の範囲内で一番の難関校に入って、ようやく抜け出したことを思い出しました。

大学よりも高校の時の方がはるかに自由だった気さえしますね。

ネットで少し調べて本書がドキュメンタリーか何かで賞をもらっていることにも驚きましたが、まあ、今ではあり得ないだろうなあ~。
ネットやSNSでこんなのあったら、すぐに情報が知られて潰されるだろうから。

まあ、昔はあまりに過激な奴は、公務員で早々クビに出来ないから、地方とか都内だと島の方に飛ばすとかよくしてたらしいし、その辺のことは知っている人は知っている話ですけどね。

もっとも私も学校に対する抑圧されたストレスからか、卒論のテーマを「校則と自己決定権について」としたことを思い出しました。
教師は無能で根拠もなく、恣意的に権力を振るっていると小学生の時から思ってたし、非暴力不服従運動ではないが、消極的に教師からの指示をサボタージュするとかよくやってたもんなあ~。クラスの代表委員がそういうことしてた訳だし、学級崩壊してたしなあ~。

授業中にいなくなった生徒を探す為に、校外の裏山を探すとかってので授業を丸々1コマ潰すって、キチガイかと思ってましたよ。
担任教師のことを!

まあ、通知表だっけ?
「協調性がありませんとか、みんなともう少し打ち解けるように」散々なこと、書かれてたしなあ~。

そういえば、小学生の通知表には
「個性的なお子さんです」とか書かれてた。
そういう表現で、異端扱いされていたのを思い出しましたよ。成績が学年トップなので余計扱いつらかったんでしょうね。教師連中には。

著者も本書の中で周囲からどういった扱いを受けたのか、克明に描かれていますが、その一方で凄いというか、どんなにトラウマ的に精神に刻まれてるのか不思議でならなかったのが、小学生の時のこと、そんなに普通覚えてます?

私は大いに不満があった覚えはありますが、具体的な事は正直、ほとんど思い出せません。
著者が当時の関係者に聞いてまわって、みんながほとんど覚えておらず、そんなことあったかも?程度の証言しかないことについて、どうして覚えていないのか逆に不思議に思っている、その事自体に物凄い違和感を覚えました!

逆に著者は年齢(本書を執筆する時)まで、小学生時代のことを克明に記憶していたなんて、どう考えても異常なことかと。
当時の記憶に固執する執着性の気質的素養があるのか、よっぽどの精神的ストレスによる身体に染み付いた記憶なのか・・・?

子供への教育、時代的なことも含めて大変気になりますね。
そういった教育を受けた人達がどうなったのか? また、今の教育でどうなっていくのか?
心配で心配でたまりませんね。

その点では自分には子供がいないことが幸いですね。
本当に心からそう思います。

そうは言っても教育の場だけでなくとも、社会がどうなっていくのか?
いろいろと衝撃を受けた本でした。

もっとも今、その滝山団地行ってみると、どこぞのニュータウンみたいに忘れ去られた過去の地域みたいになっています。
イトーヨーカドーのプライスだっけ、あれも撤退したし、他にスーパーとかあるんでしょうか?

車があれば、まあ、イオンやら何やらあることはありますが、車無しでは結構、今も不便な感じがしますけれどね。
本書の内容は、はるか昔の話ではあります。
【目次】
1 序
2 改革
3 「水道方式」と「学級集団づくり」
4 二つの自己
5 代表児童委員会
6 「P」と「T」の連合
7 6年になる
8 自由学園・多磨全生園・氷川神社
9 林間学校前夜
10 林間学校
11 追求
12 コミューンの崩壊


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posted by alice-room at 23:46| Comment(0) | 【書評 未分類B】 | 更新情報をチェックする

「平安残酷物語」日日日 講談社

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ささみさん頑張らないの原作者ということで読み始めたのですが・・・。

『虫』がグロくて、正直もう駄目。
私、イナゴ食べれる人だけど、こういう文章は気持ち悪くて・・・。

冒頭から読み進める気力を失い、それでもなん分の一か読み進めたのですが、私的にはツライので断念しました。
こういうのが普通に出版されるのですねぇ~。人肉食いより、拒否感覚を覚えました。

お薦めしません。

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「読書で離婚を考えた。」円城 塔、田辺 青蛙 幻冬舎

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円城氏の名前はあちこちで見かけるものの、タイトル他私の関心をそそるものがなく、今まで読んでこと無かったのですが、本書で初めてご夫婦共に作家さんなのを知りました。

何よりも夫婦で互いにお薦めの本(課題図書)を紹介し、相手方がそれを読む&感想を述べる、な~んてあり得ないことを企画としてやっていて、しかもそれが『離婚の危機』に繋がるなんて、そりゃ当たり前だろ!っていう思いでちょっとだけ読んでつまらなかったら、読むの止めようとか思いつつ、手に取りました。

結局、最後まで読了したんですけれどね。

個々に紹介されている本は、まあ、それほど面白いものではありません。
この辺は想像通り。

元々、お薦めする先は自分の相方さんですから、その方が読まない(であろう)本で自分的にお薦めしたいのを紹介するのが根底にあるので(『ルール』として本書に紹介する際に決め事も書かれておりますが、それはそれとして)一般読書向きのお薦めではないのですが、それでも他人が結婚している相手に本を紹介する、な~んてね! 
それだけでもとりあえず、読んでみたいと思いました。

私自身が相手に本を薦めてもまず、読まないですしね。
相手は相手でいつも本を読んでいますが、滅多に好みが合うことはないですし・・・、価値観の相違を再認識させられるだけかと・・・。
個人的には相手に本を薦める、ってことを断念してはや幾年?ってね。

さて、本書の方も我が家以上に本の趣味が噛み合っていないようで、いろんな意味でのすれ違い加減が半端なく、凄いなあ~これで結婚が維持出来るんだ。うちなんかでも、まだまだ大丈夫そう、っていう強い安心感を抱きました。

でもでも、うちも病気多いけれど、著者の方々も相当な病気がちなご家族かと。
あとね、お互いに、ああ言った、こう言ったとそれぞれが思っていることが異なっていて、全く噛み合わない点が他の家でもそうなんだとなんか、少しだけ安心しました。お互いがこうだったと確信を持って話していても、なぜか食い違う発言。真実はいずこに!

そういえば、そもそもの本書の企画の発端としては相互理解に資する為の本紹介だったはずらしいのですが、表面的には相互理解が遠のくような・・・状況と思われるような場面が散見され、読んでいる読者がこの夫婦大丈夫かなあ~と思わずにはいられない、それこそが本書のウリかと。

正しい読み方ではないかもしれませんが、他に本書から価値は特に見出せませんでした。
でも、エッセイとしては、こういうのは十分ありかと。勝手な読み方かもしれませんが、個人的にはある種の精神安定剤になりました。
相互理解とかダイバーシティーなんて、共同幻想でしょう・・・きっと、たぶん、ねっ。


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「D坂の美少年」西尾 維新 講談社

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おっと、ついにカスの男装の少女が生徒会長に立候補。(作中の本人談)
後の副会長さんがとっても素敵な趣味の持ち主で・・・あっ、これはこの巻ではなくて続巻の話なのでもう何冊か先を読んでいるので私の中では話が前後しまくりですが、そういう抜きにしても普通に楽しく読める少年探偵団ものです。

ジュブナイルにしては、いささかある種の毒がある西尾氏の描くシリーズですが、今時の若い世代にも受け入れられのでは?とか思ってしまう、既に少年少女の時代を遥かに超えた読者の感想です。

寝る前に、軽く一読するには良いかなあ~。
時々、クスって笑える箇所もあるし、本家の少年探偵団とは全然違うけれど、それでもまあオマージュかな。
ついでに言うと、D坂は団子坂ではないってことは、重要ではない。

大きくシリーズの流れが変わってくる分岐点となる(?)お話でした。


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2018年11月18日

「随筆 本が崩れる」草森 紳一 文藝春秋

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普段、随筆とかエッセイ系の本は読まないのですが・・・・タイトルと中をパラパラと眺めた時に視覚に入ってきた本がまさに山と積まれ、壁となり、崖となった部屋の様子を映した写真を見て、つい、ふらふらと購入しちゃいました。

早稲田大学でやってた古書市で初めて行ったものの、大した規模でなく、購入する本なんて無いと思っていたのに、結局、7、8冊買ってしまい、先日の神保町の古本祭りまでの金額には及ばないものの、冊数で上回っちゃいましたよ。

これから無職になるかもしれないのに・・・・あ~、いいのだろうか???
まあ、いいんでしょう、きっと・・・ね。

さて、全部で3篇からなる随筆集ってことになるのかな?本書は。
野球に全く興味がなく、タバコなんて大嫌いな私には残りの2編はつまらなくてそれらは邪魔なだけなんで本を破ってしまいたいところなのですが・・・(分量を減らしたい)・・・、これやると本がバラバラになってしまうんだよねぇ~。参考書とか資格系の使う本なら、よくやるのですが、ちょっとこの「本が崩れる」のところだけは残しておきたいので、そのまま、本をばらすことなく、そのまま新書として残しておきますかね。

以前、「本の重さで床が抜ける」?とかいうタイトルだった本も内容は無いけど、タイトルだけで残しておきたい本だった。
本書は、それよりはよっぽどマシなので、我慢して売り飛ばさずに部屋に置いておこう。


実際、こういう状況になってしまったら、もう人生終わりのような気もするのだけれど、それでいてどうしても少し憧れというかなんというか、一度経験してみたいような危うい誘惑にそそられる状況の描写が気になります。

でもねぇ~、うちにも戦前の本とかあるけど、黴臭いし、ちょっと扱いに困ったりもする。
他の綺麗な本とは一緒に並べられないし・・・黴が綺麗な本に写りそう、臭いや埃とかはてさて・・・???

そんなこと気にしているうちは、ビブリオマニアになれっこないのですが、ならない方が一番なのは自明ですしね。
やっぱり、極力、捨てるか借りるかして手元には置かないようにしないと・・・。

定期的に売ったりして、手放すようにはしているのですが、並行して買い集めた本が空いてる床や布団の周りを侵食していく姿はうちもそのままだし・・・、なんとか自室の範囲内に留め、部屋から出してはいけない!というのが家族としての生活を成り立たせる最低限度のマナーですしね。

趣味で集めていて、その度が超えないのが一番ですよね。
仕事としてたくさんの本を資料として必要とするようになると、それはそれで際限無さそうですし、著者も書かれてますが、歯止めがきかなくなるその様子が本書を読んでいて、痛いほど、実感させられます。

可能な限り図書館で読み、必要なところだけメモしてファイルかなんかにまとめておき、そのジャンルの基本書とか、メモでは到底おさまりきらないだけの大量の情報量・情報価値のある本だけ、購入して手元に置く、それぐらいしか私には大量の本をさばく方法が思いつきませんね。

まあ、読んでいる本のうち、自分にとって有意義と思える内容がある本なんて、ごく一部なのでその辺は私は幸福なのかもしれません。
必死になって集めよう、読もう、とかまで思ってない気楽さ故ですね。
もっとも日々の仕事でストレス抱えて、趣味の読書にまでストレスの原因になって欲しくない、切実にそう思いますし。

そうそう、本書の内容ですが、まさに平置きして山のように積んだ本が林立する著者宅で風呂場に入ったところで本が崩れ、崩れた本が戸を教えて、戸が開かなくなり、お風呂から出られなくなる、といった話です。

寝ていて、本が顔や体に振ってくるってのもありましたね。
3・11の本が崩れた昔の実家の自室を思い出します。あの時は復旧するまで1か月ぐらい、部屋放置していたっけ?
その後、古書店に美術書や百科事典等、明らかに重くて崩れたら大変な本が大量に出回っていたのを思い出します。
当然、安くなってましたが、誰も買わないでしょう。おかげで私はゴシック建築関係の部分だけ、美術全書のうち選んで安く購入したのでその手のが何冊か部屋に転がっていたりする。

まあ、それはそれとして。
本書は、愛書家の話ではありません。
蔵書家の話(?)、単にたくさん本を持っていてそれを資料として使っている人の話ですね。
愛書家には許されない本の扱いでしょうし・・・ね(笑)。
ただ、ここまで行けば、これはこれでアリなんじゃないかな?そう、思いました。

本書、一応、手元に残して置こうと思ってます。

【目次】
本が崩れる
素手もグローブ―戦後の野球少年時代
喫煙夜話「この夜に思残すこと無からしめむ」

随筆 本が崩れる (文春新書) (amazonリンク)

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