
1巻だけだいぶ前に読んでいて残りも後で読もうと思って放置したままだったのですが、ちょっと時間が出来たので1巻からまとめて全巻を読了しました。
最初はかなり長閑ないい雰囲気だったのですが、途中から段々と方向性が変わり、居なくなった母親が出てくるようになってから、一気に別物の作品となりました。それもそれなりに楽しく読めるのですが、1巻のまま、ダラダラと日常系ほのぼの路線で継続出来ればより素敵な作品として記憶に残ったと思います。その辺がちょい残念な作品。
一地方の古書店主でしかも年齢が若い人がプロがひしめく古書業界でしかも最前線の舞台に出てくるのは、冷静に考えれば考えるほど無理し過ぎて不自然さが鼻についてしまう・・・・。
<以下、ネタバレ有り。未読者注意>
まあ、国内の話であれば、まだギリであってもシェイクスピアのファーストフォリオって無理有り過ぎ。
確かにバブルの頃には、なんでもありとしても、専門の研究者が複数人で鑑定して真贋を判断するものを専門家でもない一古書店主がどうやって判断できるのか? また、それがどうして国内の交換会なんでしょうか?
普通、世界に名だたるオークションハウスでもなければ、あり得ない話ですしね。
また、あの程度の金額で競るってのも無理有り過ぎてねぇ~。
一古書店主が出せる金額から逆算しているにせよ、高額な書籍を扱っている母親があの程度の金額で競りから降りるなんてあり得ないし、その直後に資金繰りがついたから、高額で買い取ってくれるとか・・・この辺を読んでいて一気につまらなくなりました。
さすがにもう最後なんで読了しましたけど、これが早いうちの巻で書かれてたら、続巻は読まなかったと思います。
設定に無理させ過ぎ!!
謎解きは、ほどほどで読者もそれほど期待していないと思いますのでむしろ日常系のやり取りを延々と書き連ねた方がずっと素敵な作品だったのに・・・などと一読者は思っちゃいますね。
本の知識はもとより人脈や業界ネットワークの情報が必須の高額古書の取り扱いで人見知りする人物は、あり得ないでしょう。
話を変な方向に広げ過ぎてしまい、プロットの段階で失敗したと思います。
キャラがいいので、そこをもっと生かした作品が別エピソードとかであるといいのですけれど???
関連本っぽいのもあるみたいですが、どうなのかな?
まあ、本書はこれで本編完結してるみたいですので、読みたい別な本に行きます。
ビブリア古書堂の事件手帖 (メディアワークス文庫)(amazonリンク)
posted by alice-room at 01:01|
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【書評 小説C】
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