2026年04月10日

「MMT(現代貨幣理論)の教科書」真壁 昭夫 ビジネス教育出版社

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ずいぶんと久しぶりにこの手の本を読んだ気がします。
一般向けの経済解説本で、基本的なマクロ・ミクロとかやってれば比較的ライトな内容ですが、うん、最近は表面的な指標とか指数とか経済解説とか見聞きしてなかったのですっごく新鮮でした。

クラウディング・アウトとか、そうそう、そういうのあったよねというお恥ずかしいレベルの私です。
一応、大学院ではその辺が専門だったはずなのに・・・ね(苦笑)。

高過ぎる税率なら、減税した方が税収UPになるという、減税したい政治家になんとも都合の良いラッファー曲線(ラッファブル曲線と揶揄されたアレ)や、金持ちや企業が儲かればおこぼれが庶民にも生き渡るというトリクルダウン理論のように、MMTは胡散臭いキーワードですが、まあ、興味深いのは間違いないです。

個人的にはハイパーインフレとデフォルトで不良債権にまみれて経済低迷にならないか懐疑的ではありますが、ジリ貧よりはいいのか?

プライマリーバランスを意識した政策なんて過去の遺物ですかね?
今の日銀のようにETF買ったり、国債買ったり、中央銀行の独立性もあってないようなもんだし、アメリカのFRBもアレでしょ。
う〜ん、今日も株価上がってるが、楽観論に終始し過ぎのような???

本書でMMTとは、自国の通貨で債権を発行できる国家は、デフォルトに陥ることははく、財政悪化の懸念無しに国債を発行して景気刺激策を推進できるという理論と定義されます。

その条件として①経常黒字②自国通貨での国債発行③インフレ未発生、を挙げてます。

そして日本がまさに上記の条件を満たし、国債の残高が異様なほど累積しているにも関わらず、インフレや金利上昇に至っていないのが、MMTの実例として一部で見做されてしまっている状況について触れています。

そういやあ~ネットとかでプライマーバランスの規律至上主義の財務省批判が一時、盛り上がっていましたが、ポリュリズムの方向性としてはバンバン金ばらまけや~となるんでしょうね。

中国の対外進出やホルムズ海峡封鎖など、安全保障上の困難が山積みの中、人口減少で人口の高齢化が進む日本で経済成長を維持するには、積極財政により経済の勢いをつけながら、なんとか成長への道標を作り、繋げていくしかないというのが現高市内閣の方針なんでしょうね。

本書が書かれたのは2019年でかなり古い為、金利上昇が夢であった時代ですが、現在は長期金利がじわじわ上がってるし、確実に物価も上がっているのでいよいよ財政拡大も正念場にかかってきてますね。

為替もここ数年で激変してますし、このMMTの行く末が大変気になりますねぇ~。生成AIに振ると、この辺も楽しかったですが、まずはもう少し関連書籍も読んでみようと思います。

そういう意味で私にはよい刺激になり、勉強になった本でした。

個人的には、もうチャレンジする気もないので完全に守りですね。NISA枠をオルカンかSP500で埋めて、ポイ活分は金の投信を買って、後はひたすら寝てますか。本日の株価のように停戦を楽観視なんて、とうてい思えないので現金化できる分だけキャッシュにして数年は息ひそめて待ってます。暴落を・・・。

【目次】
第一章 MMTの定義
・MMTとは何か
・誰がMMTを提唱したか
・いつから、なぜMMTは注目されているのか
・MMTとポリュリズムの関係
・日本がMMTの先駆者?
・MMTの問題点

第二章 なぜ、いま、MMTか
・景気を支えることが主な目的
・主要国の金融緩和による景気刺激
・限界に直面する中央銀行
・金融政策にはマイナス面もある
・より強力な景気刺激策への期待
・財政支出をしても金利が上がらない

第三章 これまでの理論との比較、違い
・これまでの理論とどこが違う
・財政政策には、本当に規律は必要か
・これまでの理論では財政支出は金利を上昇させる
・財政政策は為替レートにも影響を与える
・借金を増やすと国債はデフォルトするか
・物価はコントロールできるのか

第四章 MMTの主な問題点は何か
・MMTは万能薬ではない
・中央銀行国債を引き受けるとどうなる
・為替レートへの影響
・”悪い金利上昇”の恐れ
・ハイパー・インフレーションへの懸念
・借金が増え過ぎると国が最終的につぶれてしまう

第5章 わたしたちの生活への影響
・一時的な効果は考えられる
・長期的には続けられる政策ではないかもしれない
・結局、国民の負担が増える
・軽視できないインフレリスク
・政策だけで景気が拡大し続けることはあり得ない
・わが国の財政状況はすでに「火の車」

MMT(現代貨幣理論)の教科書(amazonリンク)

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日経新聞 経済教室「金融機能の健全化急げ」2010年10月15日
ラベル:書評 経済 財政 金融
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2026年04月07日

「最近の人類は魔王をナメている」木口なん、SHICON、夕霧  デジカタ編集部

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異世界転生ものですね。
最近は、トラックにひかれたり、神様に転生ボーナスもらうお約束とかはないんですね。あっ、でも、理不尽に殺されたりはしたか。
いきなり、異世界に転生して『魔王』になってスタートします。

当然、魔王なんで人類と闘うのですが、中世ヨーロッパの設定は変わらないものの、時代にそぐわないロジカルな思考する人類が戦闘の参謀をしたりするのですが・・・。

う~ん、まあ、転生した魔王は現代知識チート無法をするわけではなく、今風のコスパやタイパの良い合理的な思考で情報収集し、戦略を立てて人類に奪われたものを一つ一つ解放していく・・・ってな感じのお話となっています。

変に凝ったところもなく、オーソドックスなプロットですが、それ故、破綻もせず、読んでいても自然な感じですね。
特別なものを求めなければ、そこそこ楽しく読めるかと思います。

ただ・・・この手のたくさん読んでると・・・よくある作品の一つになってしまうのでそこは割り切りですね。
過大な期待を抱かなければ、普通の楽しい作品です。

最近の人類は魔王をナメている(amazonリンク)
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2026年04月04日

「ウルフハンター赤ずきん」アルティム・アクセネンコ (監督)

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たまには、ほのぼの童話系ファンタジーでも観ようかと思ったのですが、かなり、ぶっ飛んだ内容のファンタジーでした。

森の支配権をめぐり、狼一族と伝説のウルフハンターの一族が争っています。
ウルフハンターの男性は、狼に敗れ、狼さんに食べられてしまいます。その後、時は流れ、殺されたウルフハンターの男性の子供は成長するのですが、それこそが『あの』赤ずきんちゃんなのでした!

でもって、狼と赤ずきんちゃんがバトルをするのですが・・・。

どうせ、誰も観ないでしょうから、以下、ネタバレ。




どうして、そうなるのか不明なのですが、いきなり斧で狼と戦い出す、赤ずきんちゃんは斧で地面を打ちつけるとそこが異世界への入口になり、現代のロシアへ『逆』異世界転生します。

そして、不可解なまま、現代ロシアで追い掛けっこをし始め、これまた何故か黄色なかっこいい車(三菱エンブレム)で逃走して・・・。
更に次元も世界も飛び越えて、何故かいきなり大団円に???

えっ、これ?不条理系?

タイトルで調べたら、ロシアのつい最近撮られた子供向け映画らしいがあまりに混沌として脈絡のない展開で、観ていて私は茫然自失となりました。駄目だ、ついていけない。

可愛い少女が赤ずきん被って斧を振り回して、狼とバトルする。
そんなファンタジーファンがいたら、観て下さいね。
私はもういいや・・・。

赤ずきんちゃんが伝説のウルフハンターの一族だったってことだけで、もうお腹一杯でした!

ウルフハンター赤ずきん(amazonリンク)
ラベル:映画 童話 ロシア
posted by alice-room at 11:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 【映画・DVD】 | 更新情報をチェックする

「アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険」宮田珠己 大福書林

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教皇からの呼び出しで亡き父の献上した(出鱈目な?)冒険記に記載されたプレスター・ジョンへ親書を届ける旅を言い渡された一行の冒険記。

うちのブログで何度も取り上げているあの『プレスター・ジョン』の名前が出てきただけで即、読むことを決定しました(笑)。
それにスキタイの子羊に、ワクワクの実、マンドラゴラとか、まさにうちのブログの頻出単語かよ~。こりゃ、読まずにいられませんね。

文体は非常に軽いノリで読み易いのですが、最初、テーマ的に翻訳本かと思ったら、日本人の作家さんの小説だったんですね。道理で文体が軽い♪

こう手の異世界譚だとどうしても澁澤さんの「高丘親王航海記」をイメージしてしまうが、ああいう格調高い洗練された文体ではないです。著者も意識してあえてそうしているのかもしれませんが、かなり俗っぽい文体で本書は書かれています。逆に、読者の読み易さや共感は増しているかもしれません。

あと・・・本書の最後の参考文献見てみると・・・・かなりうちのブログに書評で紹介されているやつですね。
読んでいて、かなりアレだよねぇ~とか思いながら、読んでいましたが、そりゃ元ネタはほぼ事前に知っているわけですから、当然か。
それでも、童話的なお話としては悪くないかと思います。

ただ、どうしても表面的な話なので、さらに参考文献を読むとそちらの方(黄金伝説、仏陀伝等々)がはるかに面白いのでそちらも強くお薦め致します♪

そうそう、本書の魅力としては装丁と折りたたまれた絵巻風差し込み、これが秀逸です!
本書を読む際には是非、図像を観て楽しんで下さいね。ご丁寧に解説のチラシまで用意されているので存分に楽しめます♪

アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「黄金伝説4」ヤコブス・デ・ウォラギネ著 人文書院
「中世の説話」松原 秀一 東京書籍
「アレクサンドロス大王東征記 上」フラウィオス アッリアノス
「スキタイの子羊」ヘンリー・リー ベルトルト・ラウファー 博品社
「大モンゴル 幻の王 プレスター・ジョン 世界征服への道」 角川書店
「キリン伝来考」ベルトルト・ラウファー 博品社
「エチオピア王国誌」アルヴァレス 岩波書店
「神の刻印」グラハム・ハンコック著 凱風社
posted by alice-room at 11:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 小説C】 | 更新情報をチェックする

2026年04月01日

「攻殻機動隊 新劇場版」黄瀬和哉 (監督)

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実写化した奴以外は、古いのほぼほぼ観たつもりでしたが、これ観てなかったんですね。
もしかしたら・・・と思って、観て正解でした!

もう10年前の作品ですか、こちらも時代を経ても全く色褪せないですね。
むしろ、昨今のホルムズ海峡を取り巻く世界情勢やフィジカルAIを眺めていると、映画の世界観がより鮮明な近未来として実感させられます。

バージョンアップ出来るなら、その進化(進歩)も確かにありですが、スペック等の制限で最新版への更新が出来ない・・・なんていうのも実に痛切な共感を起こしますね。

win10からwin11へのupdate出来ない世界中のPCどうするんでしょうね。別に新しい機能なんて不要で、従来通り使用出来ればいいだけなのに、バグだらけで毎月修正パッチ当てが必要で、さらにはその為の更新さえできなくなるとか・・・訳分からん。

まあ、ソフトウェア業界にいたこともあるので分からない訳ではないけど、それにしてもあれだけ利益をあげていながら、そもそものソフトの不備に起因するバグ修正に責任を果たさないのは・・・社会的存在としてどうなんでしょうね?

まして、それが人の生死に関わる案件だったら・・・・というのがこの映画でも語られます。
どこの国とは言いませんが、人の命に関わる自動車でもEVの制御システムとかのバグの修正を確かにやってくれるのでしょうか?
雨後の竹の子のようにEV事業に参入し、赤字出して倒産した車の制御システムなんて、バグだらけで修正やupdateもされず、放置されてるそうですが・・・・怖いよなあ~。バックドア仕込まれてそうだし・・・・。

そういやあ、ついこないだも安価な中華タブレットにOSにマルウェア「Keenadu」が入っていたとして大問題になったし・・・・ね。うちも実は電子書籍用に持ってたので、安全が確認されるまで恐怖でした。まあ、個人情報取られないようにそのタブレットは元々電子書籍リーダー専用機にしてたけど、それでも怖かったなあ~。

昔、購入したシャオミーのスマホもバージョンアップ全然しなかったし、不信感しかない。それでも安いから用途限定でガチガチにして使用する中華製品もあるけど・・・・信頼できないようなあ~。

パワー半導体の製造会社にいる友人も中国製EVだけはお薦めしないって言われたよなあ~。人の命に関わる半導体でさえ、バルクレベルのもの使っているそうでそりゃ、車の価格は安いでしょう。不良品発生してもその分値引きするという契約自体の考え方が違うから・・・。

ただ、見切り発車で数売って、たくさんの死傷事故含めたデータを大量に取得し、それを改善に生かせば、そりゃ開発スピードは上がるでしょう。普通の会社では出来ないが、某国の会社ならできるんだろうなあ~。

リバースエンジニアリングは、どこの会社でもやっているけど、その更に一線を越えたことしてるのがそういう会社さんだしねぇ~。

最近、某国でロボット産業の育成に力を入れているニュースなどを見ると、そのロボットで使用されるOSが恐ろしいですね。ネタバレではないけど、まさに本作品の世界観とニアリーイコールに思えてなりません。

もう時効だからいいだろうけど、昔、中国のソフト会社にこういう機能のソフトを作ってという指示をして作成した際に驚いたのが、管理者権限のないユーザがインストール出来るように一時的に管理者権限をスキップして進める内容のソフトを検収に出してきたことがあり、あっけに取られた覚えがあります。某マイクロソフトさんのセキュリティー概念を無効化してるじゃん!

まあ、独り言は置いといて、本作品は今観ても非常に刺激的で哲学的な思索に溢れた作品となっています。私自身もどこまで理解できているのか分かりませんが、とにかく興味深く面白いです!!

いつも通り、観る人を選ぶかもしれませんが、好きな人には楽しい作品ですのでお勧めです♪

攻殻機動隊 新劇場版(amazonリンク)

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「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man」神山健治監督
イノセンス(2004年)押井守監督
「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 虚夢回路」藤咲 淳一 徳間書店
「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」バンダイビジュアル
posted by alice-room at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 【漫画 アニメ】 | 更新情報をチェックする