
ずいぶんと久しぶりにこの手の本を読んだ気がします。
一般向けの経済解説本で、基本的なマクロ・ミクロとかやってれば比較的ライトな内容ですが、うん、最近は表面的な指標とか指数とか経済解説とか見聞きしてなかったのですっごく新鮮でした。
クラウディング・アウトとか、そうそう、そういうのあったよねというお恥ずかしいレベルの私です。
一応、大学院ではその辺が専門だったはずなのに・・・ね(苦笑)。
高過ぎる税率なら、減税した方が税収UPになるという、減税したい政治家になんとも都合の良いラッファー曲線(ラッファブル曲線と揶揄されたアレ)や、金持ちや企業が儲かればおこぼれが庶民にも生き渡るというトリクルダウン理論のように、MMTは胡散臭いキーワードですが、まあ、興味深いのは間違いないです。
個人的にはハイパーインフレとデフォルトで不良債権にまみれて経済低迷にならないか懐疑的ではありますが、ジリ貧よりはいいのか?
プライマリーバランスを意識した政策なんて過去の遺物ですかね?
今の日銀のようにETF買ったり、国債買ったり、中央銀行の独立性もあってないようなもんだし、アメリカのFRBもアレでしょ。
う〜ん、今日も株価上がってるが、楽観論に終始し過ぎのような???
本書でMMTとは、自国の通貨で債権を発行できる国家は、デフォルトに陥ることははく、財政悪化の懸念無しに国債を発行して景気刺激策を推進できるという理論と定義されます。
その条件として①経常黒字②自国通貨での国債発行③インフレ未発生、を挙げてます。
そして日本がまさに上記の条件を満たし、国債の残高が異様なほど累積しているにも関わらず、インフレや金利上昇に至っていないのが、MMTの実例として一部で見做されてしまっている状況について触れています。
そういやあ~ネットとかでプライマーバランスの規律至上主義の財務省批判が一時、盛り上がっていましたが、ポリュリズムの方向性としてはバンバン金ばらまけや~となるんでしょうね。
中国の対外進出やホルムズ海峡封鎖など、安全保障上の困難が山積みの中、人口減少で人口の高齢化が進む日本で経済成長を維持するには、積極財政により経済の勢いをつけながら、なんとか成長への道標を作り、繋げていくしかないというのが現高市内閣の方針なんでしょうね。
本書が書かれたのは2019年でかなり古い為、金利上昇が夢であった時代ですが、現在は長期金利がじわじわ上がってるし、確実に物価も上がっているのでいよいよ財政拡大も正念場にかかってきてますね。
為替もここ数年で激変してますし、このMMTの行く末が大変気になりますねぇ~。生成AIに振ると、この辺も楽しかったですが、まずはもう少し関連書籍も読んでみようと思います。
そういう意味で私にはよい刺激になり、勉強になった本でした。
個人的には、もうチャレンジする気もないので完全に守りですね。NISA枠をオルカンかSP500で埋めて、ポイ活分は金の投信を買って、後はひたすら寝てますか。本日の株価のように停戦を楽観視なんて、とうてい思えないので現金化できる分だけキャッシュにして数年は息ひそめて待ってます。暴落を・・・。
【目次】
第一章 MMTの定義
・MMTとは何か
・誰がMMTを提唱したか
・いつから、なぜMMTは注目されているのか
・MMTとポリュリズムの関係
・日本がMMTの先駆者?
・MMTの問題点
第二章 なぜ、いま、MMTか
・景気を支えることが主な目的
・主要国の金融緩和による景気刺激
・限界に直面する中央銀行
・金融政策にはマイナス面もある
・より強力な景気刺激策への期待
・財政支出をしても金利が上がらない
第三章 これまでの理論との比較、違い
・これまでの理論とどこが違う
・財政政策には、本当に規律は必要か
・これまでの理論では財政支出は金利を上昇させる
・財政政策は為替レートにも影響を与える
・借金を増やすと国債はデフォルトするか
・物価はコントロールできるのか
第四章 MMTの主な問題点は何か
・MMTは万能薬ではない
・中央銀行国債を引き受けるとどうなる
・為替レートへの影響
・”悪い金利上昇”の恐れ
・ハイパー・インフレーションへの懸念
・借金が増え過ぎると国が最終的につぶれてしまう
第5章 わたしたちの生活への影響
・一時的な効果は考えられる
・長期的には続けられる政策ではないかもしれない
・結局、国民の負担が増える
・軽視できないインフレリスク
・政策だけで景気が拡大し続けることはあり得ない
・わが国の財政状況はすでに「火の車」
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