しかし、結論から言うと、本書も断片を寄せ集めたもので決して一本大きな線を通すような著述とはなっていません。個々の話は、当然ながら簡略過ぎ、面白くありません。また、歴史的な在り様の推移やその背景などの大きな『流れ』についても、見るべきものを見出せませんでした、私には。
通史にこだわり過ぎて平板になるよりは、もう少しポイントを絞って幾つかのトピックから歴史の流れを描き出した方が良かったように思います。
あと、簡略な説明であっても、時々納得のいかない説明があり、首をかしげることがあった。例えば、初期のグノーシス派とかは、キリスト教の中で問題になるものではなく、グノーシス派の方がそもそも先でしょ。明らかにソレ違うし・・・。他にも、一般的になさせる解説とは違うだろう・・・というのものが幾つか見られた。大変、違和感を覚えた。
時代的なものなのか、著者のバイアスによるものか不明だが、通史でバイアスがかかり過ぎているならば、好ましくないと思った。少なくとも本書から、私が何かを刺激や示唆を受けるような点は全く無かった。読んでも得るところ、無いような気がします。お薦めしません。
【目次】カトリックの歴史 改訳 (文庫クセジュ 149)(amazonリンク)
第1章カトリック教会とローマ帝国
第2章蛮族の西国、ビザンティンの東国
第3章カロリング朝の文芸復興と教会の衰微
第4章中世紀カトリック教会ーその極盛期
第5章中世教会の衰微
第6章カトリックの改革
第7章教会と革命
第8章十九世紀のカトリック教会
第9章二十世紀のカトリック教会ー問題と解決
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