
バチカン奇跡調査官の方が人気だから、こちらはしばらく続きが無いなあ~と忘れていたのですが、出ていたんですね。知りませんでした!
たまたま見つけたので早速、読んでみました。
う~ん、本シリーズは独特の味わいがありますね、やはり。なんというか、こう時代がかった混沌とした猥雑な特殊な雰囲気の中で今回も物語は進んでいきます。江戸川乱歩の推理小説に漂う時代感というかアレに近いモノを感ぜずにはいられません。
吉原を取り仕切る組織の顧問弁護士っていうのも、某反社会組織のソレみたいに胡散臭くて何とも言えない香ばしい匂いが漂うし。
それが美貌の盲目探偵さんって、いうのも属性てんこ盛りし過ぎ!!
今回は歌舞伎の世界での殺人事件が発生し、その謎を解いていきます。
<以下、ネタバレ含まれますので未読者注意>
本書の中でも触れられてますが、江戸時代の頃より吉原を管理監督する権限を有していたのは盲目の検校であり、昭和の時代で吉原を支える顧問弁護士が盲目っていうのもその辺を踏まえての設定なんでしょうね。「吉原御免状」とかでもその辺、面白く描かれていますが、本書のシリーズの最初から、その辺りの匂わせが気になってました。
作品中、明確にその辺は触れられていないのであくまでも推測になるのでまあ、それはおいといて・・・。
梨園の中の不思議な伝統、因習に纏わる謎が謎を呼び、ゾクゾクする楽しいお話となっています。
まあねぇ~、そもそものところ、役者さんってのは川原乞食と同等の身分制度の枠の外の存在ですし、だからこそ、歌舞伎の小屋も川原や離れたところに建てられた訳ですからね。
今でも芸能界なんて、その流れを汲んでいてそりゃ、コンプライアンスなんて一番縁遠いところでしょう。どっかの大手事務所でもニュースになって話題になったが、銀行にいて反社チェックしてて、普通に中堅どころの芸能事務所の役員がヒットする。
やはり芸能界はまともな人がいくところではないと昔から言われているのも納得しますよ。うんうん。
その辺はおいといて。
ネタバレの先の話になりますが、後産の胎盤等が栄養があって身体に良いっというのは、有名ですよね。私は化粧品のことをすぐに思い出しました!
昔いた通販会社で女性用化粧品を企画・販売してて、その際に学びましたがこの胎盤等からプラセンタが抽出でき、人由来のプラセンタは化粧水や美容液の原料としてはすごく優秀なんですよね。但し、昔は産婦人科等で後産や堕胎による胎盤を業者が購入してプラセンタを抽出して利用するらしいのですが、今は法律で規制されていて人由来のプラセンタは化粧品に使用できなくなったと聞いた覚えがあります。
本書で産婦人科の医師から横流しされる胎盤等は、まさにソレでそりゃ効能はてきめんかと。
顔が命の歌舞伎役者の一族が胎盤を食べる、っていうのは実に理にかなっていて、個人的にはひどく納得しちゃいました。ただ、作品中ではプラセンタとかその辺の話は触れられておらず、化粧品とか美容にいいとまでは描かれていなかったかな?
近親婚で美形同士の血が交われば、必然的に美形が生まれやすくなるし、ある意味、究極の美容法としてプラセンタも摂取も秘伝として伝えているならば、まあ・・・遺伝病の弊害はあるものの、そういう家系になるかと。
もっとも、昔の地方では財産を余所者に渡さない為に、兄弟姉妹の間で分家に養子に出してから、結婚させて財産流出を防ぐとかありましたしね。相続でも名主さんの農家だと長男がすべての財産を相続し、次男以下は本家の財産が減らないように相続放棄させるとか普通にやってたりしましたし。。。。
本書を読んでいて、ふとそんなことを思い出したりしました。
銀行にいた時に相続関係も担当したことがあり、戸籍もたくさんみましたが、昔の戸籍だと長男以外は分家に養子に出されたり、結婚後も配偶者が死別すると、別な家へ出されてそこで結婚したり、現代ではまず有り得ないような遍歴の戸籍をたまに見かけたりしましたが、本書などの登場人物もそういう流れですねぇ~。
ミステリーらしく、一旦は謎解きが済んでもそれが更にひっくり返されて、さらなる真相へ、という王道の展開で十分に楽しめます。
人魚の木乃伊は、ムー読者なら、お馴染みですが思わず懐かしいと思って読んでおりました。
そういやあ~、昔、出羽月山で即身成仏となった木乃伊を拝観したことがありましたが、人形の木乃伊もどっかで観たような???
まあ、ローマの骸骨寺やカタコンベで人骨も飽きるほど見たのでそんなに抵抗は無かったりする。でも、作品に漂う雰囲気は悪くないと思いました。
こういう雰囲気の作品もありかと思います。
暗闇神事 猿神の舞 探偵・朱雀十五の事件簿6 (角川ホラー文庫)(amazonリンク)