2026年03月01日

「乱歩の幻影」 秋山純(監督)

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乱歩に対してのオマージュというか、憧れが一人の女性の思い込みが行き過ぎてオーバーラップした結果とでも申しましょうか?
いかにも~って感じで幻想的な雰囲気漂う映像でした。
劇中劇という構造も珍しくはないものの、70年代ぐらいのノリで楽しめるかと思います。

うん、この手の舞台とかでありがちな演出は嫌いじゃないし、最終的なオチの部分も予定調和なのですが、主人公の弓子(結城モエ)の演技がどうにも鼻につくというか違和感を覚えてしまいました。全体の雰囲気に対して、どうもしっくりきてない感があり、他の部分のノリは好きなんだけど、その世界観にどっぷりと埋没できず、そこだけは残念でした。

視聴者の感性の問題かもしれませんが、この手の作風ならば、もう少しアンニュイ感のある女優さんだったらなあ~と強く感じました。
同潤会アパートとかのあの見せ方や昔懐かしいレビューのような舞台演出とかも、時代がかっていてそれなりに風情があったので、なんとも惜しい感じです。

その辺割り引けば、最近は少なくなってきた系統の作品なので、夜中に大画面で観ると楽しいです。
お好きな方には軽くお薦めします。

なお、本書は島田荘司の同名小説(『網走発遙かなり』収録)を原作としたミステリー。
abemaで公開されていたのを観ました。

映画『乱歩の幻影』|公式サイト

網走発遙かなり 改訂完全版 (講談社文庫)(amazonリンク)
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2026年02月27日

裏道を行け ディストピア世界をHACKする 橘 玲  講談社

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いつもの橘さんらしいハック本ですね。
人生は無理ゲーとか、実に懐かしい♪

最近では目新しいネタがなくなってきたのと、TictoKやゆうつべで税理士さんは社労士さん等々が宣伝用に手垢のついた節税や抜け穴的な動画をばらまいているので新鮮味は薄れていますが、こちらは日本のハック本のご本家というべき存在ですので、とりあえず、久しぶりに読んでみました。

やっぱり以前のような新鮮さや目から鱗的な内容はもう無いです。
ただ、幅広くいろんな情報を軽く紹介してくれるので、自分の関心がない分野や見過ごしてしまっているトピックなど、参考になります。
(勿論、著者の他の作品で触れられているものも当然重複して出ているのですが・・・)それでも、ざっくり言って3割くらい知らなかったです。

たまに本書のような本を読むのは楽しいです。
三才ブックスの「ラジオライフ」の経済版みたいな感じというと分かって頂けるでしょうか?
知っている人には分かる、あのノリですね(笑)。

まあ、私も一時独立してマイクロ法人設立して、デイトレーダーや商品企画会社などいろいろやりましたが、結局は普通の雇われ人になり、投資で儲けたお金を元にして増やしてようやく少しだけ早くFIREした訳ですが、まあ、本当は30代ぐらいで辞めたかったなあ~。

これで固定資産税や自動車税さえ無ければ、最高なんだけどね・・・・。
住民税非課税世帯にはなれても完全無税とはいかないしね。消費税以外は社会保険料等も極力払わないですませたい・・・。

さて、本書の内容ですが、恋愛ハックは別な意味でも興味を惹きますが・・・やはり一番の関心事は金融市場ハックでしょうか?
効率的市場仮説を真っ向から否定し、アノマリーを見つけてそれを攻略することで通常想定される期待収益以上の成果をあげるっていう今時の若い人が好きそうなことが紹介されてます。市場の歪みを狙って他者を抜けがけするやり方ですね。

まあ、証券投資論だっけ、あの本の著者の青山先生も昔、院の講義で赤字で倒産しそうな会社の株を買って放置しときゃそのどれかが爆上がりして普通の優良企業に投資する儲かるとかよく言ってましたが、そんなところが真実なんでしょうね。きっと・・・。

以前に読んだ「カオスの帝王」とかもそんな系統の話でしたし、ジャンクボンドで有名なミルケンとかの話も出てきました。超・懐かしい!

まあ、資金の少ない時はワラント債のワラントだけ買って、博打うつのもありですかね?
ただ、個人的な感想としてはインサイダーになる直前ぐらいの内部情報で安全に着実に利益を重ねて、普通にインデックス投資に10~20年ぶち込めば、中年でFIREするぐらいの資産はなんのリスクも負わずに達成できると思うんですけどね。

私自身は、そんな情報の入るポジションにいなかったので地道に個別株で利益を出して、普通にNISAやiDeCoでインデックス投資をしてそれなりに資金貯まったけど。

本書ではその他にもいろんなハックが紹介されていて、最終章になっていくのですが、最終章になると逆にパワーダウンしてしまい、結局どこの目的地に向かうのか分からなくなっているような・・・???
最後はいささか迷走状態になりますが、途中で紹介されるお話は初見だと興味深いものも多いので軽く読んでもよいかと思います。

まあ、確定申告での節税や補助金、助成金受給、ポイ活なんかだってある意味ハックといえばハックなんですよ。
MNPでスマホ定額の50%オフでゲットだってそうだしね。
クレカ作成してポイ活でポイントをもらうのだってそうだし、宝飾品(ダイヤ)購入するのに御徒町の業者で買うのもそう。
本書では、その手のしょうぼいのは、触れられていませんが、そんなことで浮いたお金を金の投信に突っ込むだけで去年とかなら、それなりに増えているでしょうしね。

話がそれましたが、純粋に頭の体操として各種制度を調べたり、不備を見つけたりするのはアリかと。
たまにこの手の本を読むのは、良い刺激となります。
まあ、やり過ぎて一線を越えると違法や脱法で犯罪者になってしまいますので注意が必要ですね。

私もリタイア前のお仕事は、その手の悪いことをする人達の手口を見抜く金融犯罪対策専門部署だったので、よくもまあこんな手を考え出すものだと感心することも多々ありましたが、ある意味勉強にもなりました。

さて、私も何か新しいアノマリーや制度の穴でも探しましょうか?(笑)

裏道を行け ディストピア世界をHACKする (講談社現代新書 2644)(amazonリンク)

【目次】
プロローグ ふつうの奴らの上を行け
1 恋愛をHACKせよ―「モテ格差」という残酷な現実
2 金融市場をHACKせよ―効率良く大金持ちになる「究極の方法」
3 脳をHACKせよ―あなたも簡単に「依存症」になる
4 自分をHACKせよ―テクノロジーが実現する「至高の自己啓発」
5 世界をHACKせよ―どうしたら「残酷な現実」を生き抜けるか?


ブログ内関連記事
「バカが多いのには理由がある」橘 玲 集英社
「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」 橘玲 幻冬舎
「貧乏はお金持ち」橘玲 講談社
「マネーロンダリング入門」橘 玲 幻冬舎
「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」橘 玲 ダイヤモンド社
「マネーロンダリング」橘 玲 幻冬舎
「カオスの帝王」スコット・パタースン (著), 月谷 真紀 (翻訳) 東洋経済新報社
ラベル:書評 ハック 経済
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2026年02月24日

バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔 (角川ホラー文庫)  藤木 稟 KADOKAWA

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このシリーズも何冊まで読んだか分からないまま、数年放置していたのですが、久しぶりに読んでみることにしました。
とりあえず、キリの良い11弾から再スタートです。

テーマはシバの女王、アーク、ソロモン、ケブラ・ナガスト等々、なんとも懐かしい単語が並んでいます。
それだけでワクワクしますね。

インディジョーンズばりの冒険活劇ですが、そこはそれ、いつもの著者独特の風味を効かせ、ロベルトと平賀コンビが素敵な魅力で謎に立ち向かい解決していくその様は実に魅力的で楽しいです♪

本書で出てくるラリベラの世界遺産の教会は、そういえばもう20年以上前に私も本当に行こうか迷ったものの、さすがにきつそうで行くのを諦めた場所であり、そういう意味でも感慨深ったです。

今は時間も暇もあるけど、もう行くだけの気力もないなあ~。
ユナイテッドのマイルも先日確認したら10万マイル以上あって、使わないまま放置してたけど、消えてなかったのでどこでも行けるんだけど・・・。う~ん、楽するのに慣れててどこも行けない。

そんな私でも本書を読むと、海外を旅行し、謎解きしているようで実に楽しかったです。
改めて、過去に読んだ本も再読したくなりました。

本書内で説明は完結してるんですが、その背景的な知識を知れば知るほど、本書の面白さも倍増しそうです。
このシリーズの続きを読みたくなりました。次の本読もうっと!
バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔 (角川ホラー文庫)

ブログ内関連記事
「エチオピアのキリスト教」川又一英 山川出版社
「エチオピア王国誌」アルヴァレス 岩波書店
「神の刻印」グラハム・ハンコック著 凱風社
NHK世界遺産100 高原の巡礼者 ~ラリベラの岩窟教会群~
「シバの女王」ニコラス クラップ 紀伊國屋書店
「聖母マリア」 竹下節子著 講談社選書メチエ 覚書
「黄金伝説2」ヤコブス・デ・ウォラギネ 人文書院
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エイリアン孤島鬼談 (朝日ノベルズ) 菊地秀行 朝日新聞出版

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ただもう懐かしい。そういえば以前、このシリーズ読んでたよなあ~って、思いで本棚で本書を見つけて手に取りました。

昔、本書を読んでトレジャーハンターに憧れたことも思い出しました!
なんとも純朴な子供だった頃の私。

今回のエイリアンは、そう、あの「鬼」がエイリアンです。
豪快でスピーディーな話の展開は変わりません。札びら切りまくるところとかも健在。

ただね、う~ん、まあ、今の時代からするとそんなに頑張らなくても・・・っていう感じもしないでもない。
最後の種明かしならぬ、結末のつけ方も今一つ、鋭さや爽快さは、シリーズ最初のものとは比べるべくもない。
まあ、シリーズ途中でも既にだいぶ中だるみして惰性で読んでたからなあ~。

それは今に始まったことではないのですが・・・。

それはさておき、2016年に出てるんですね。
実はもっと昔に出ていて、読んだのを忘れていたものかと思ったのですが、、、本書を読んでいてもなかなか記憶に思い至らず、おっかしいなあ~と思っていて、最後まで読んで初めて、未読の本だったことに気付きました。

正直あえて読むほどではないのですが、懐かしい方は改めて往時をしのび読んでもいいかもしれません。
とにかく懐かしさで一杯でした。

エイリアン孤島鬼談 (朝日ノベルズ)(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「聖杯魔団」菊池秀行 実業之日本社
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2025年02月04日

「FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド」クリスティー・シェン (著), ブライス・リャン (著), ダイヤモンド社

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FIREブームの先鞭をつけて当時、大変話題になった本です。

まずは種銭を作り、それを年率4%の利回りで運用し、その運用益の範囲内で生活する(できるようにする)ことで、資産を減らさずに生涯働かずに好きなことをして過ごす、というアレです。

私自身もプチFIREした身の上ですので、一度ぐらいはまあ、流行だった本を読んでみたいと思い、手に取りました。

う~ん、読後の感想としては、なんでこの本がブームになったか分からないです?

今はお金もあって、好きなことを書いて、小遣い稼ぎしながら、優雅な生活をしているそうですが、物の考え方が正直いささかおかしいと思いました。貧しい暮らしから、頑張って成功した一種のサクセスストーリーではあるのかもしれませんが、それでも普通の人には理解できないぐらいの生活水準を語られてもねぇ~。

医療廃棄物を漁って・・・・どうのこうのというくだりには、正直、絶対に関わりたくない階層の方だと思います。
別に不要な見えをはる必要はないですし、誰もがメディアに踊らされて浪費をしようとは思いませんが、あまりにも異質で冒頭から拒否反応が溢れそうになりました。

本書は18章から成りますが、まずは1~10章まで自分語りのナルちゃんのお話で読む価値がありません。
他人の意見や偏見に左右されるな、という著者自身は語る一方で、読者に対してはこうあるべきだ、すべきだという押しつけが酷く、主張に論理的な整合性がありません。

家を買うよりもその資金を投資に回して、より一層早くFIREを目指すべきとか、どこかで何度も聞いたようなことも述べていますが、家庭や家族の幸せという効用が、FIREよりも高い人が当然いて然るべきで、その場合、幸せの為のFIREで持ち家を断念するのは合理的ではないはずですが、著者がそんなことを考えるそぶりも見られません。

自国で生活するよりも物価の安い海外で放浪する方が生活コストが安いというのも、昔からタイの安宿で沈没している人達の話のようで何をいまさらと思うことしきりです。

株の暴落時に、現代ポートフォリオ理論とか言い出す始末ですが、私が何十年も前に大学院生やってた頃の話を言い出しても苦笑しかないです。というか、今はそれさえも「まぐれ」とか「カオスの帝王」の本、読んでみてねで終わってます。

株と債券による分散投資でリスク代替ができるというのは、既に昔の話でしょう。
11章で少しだけ、興味深い話(FIRE直後に相場の暴落があると、FIREが失敗する事例)が出てきますが、私は債券ではなく、現金(定期預金)でカバーしてますね。

リスク資産はほぼ株式ですが、金融資産全体の半分以下なので、暴落したら、ナンピンして取得時価を下がるだけです。投資信託がメインで個別銘柄は限定的だし、ローン完済した住宅も最悪、売ればそれなりの現金になるし、そのうち年金ももらえる歳になれば、まあ、死ぬまでなんとか資金を回せるでしょう。

余談ですが、著者は自分は才能がないので最低限稼げるだけの学歴をつけて、それなりの給料をもらえる仕事を選んでついた。副業でいろんな仕事をしたけれど、そちらはすべて失敗したとか、まあ書いているんですが、別にどうでもいいかと。

お給料安くても、やりたい仕事をして最低限の生活を出来れば幸せな人もたくさんいるわけですし、他人の生き方には上から目線で助言する姿勢には、不快感を覚えました。それでいて、自分の価値観は他人に理解されない、そして他人に影響されたくないと言い切る姿勢には、もうなんと言うか、呆れて物が言えないとはこのことかと。

まあ、私も独立して会社作って、儲からないので辞めて、借り入れた事業資金返済の為にサラリーマンに戻った口なので、言えたギリではないのですが、本書の著者は相当きてますね。

ぶっちゃけ、金持ち父さんのロバート・キヨサキがたまたま不動産投資で当てて、儲かったので本を書いたら、売れた。
本書の著者もそれ系かと。

まあ、タイミングが良かったんでしょうね。
今は4%ルールというのが有名ですが、昔からイギリスなどでは資産家はおおいに儲けたければ、事業を興して会社を経営し、面倒せずに働かずに生活していくなら、国債を買って5%のクーポンを生涯もらうっていうのが、ごくありふれた常識だったとものの本で読みました。
その頃からは何も変わっていませんね。

それこそ、ピケテイの「21世紀の資本」を出すまでもなく、労働するより相続で得た資産の増加率の方が高い時代が多いのだから、まあ、当然です。

本書はあえて読む価値の無い本でした。


【目次】
第1章 お金のためなら血も流す
第2章 桃のシロップ、段ボール箱、コーラの缶
第3章 (まだ)自らの情熱に従うな
第4章 あなたは私のものだ
第5章 誰も助けにきてはくれない
第6章 ドーパミンについてわかったこと
第7章 マイホームは投資ではない
第8章 本物の銀行強盗
第9章 株式市場の暴落をいかに乗り切るか
第10章 私を救ってくれた魔法の数字
第11章 現金クッションと利回りシールド
第12章 お金を浮かすために旅行をする
第13章 バケツ・アンド・バックアップ
第14章 インフレ、保険も恐るるに足らず
第15章 子どもはどうする?
第16章 早期リタイアの負の側面
第17章 自由になるのに100万ドルは必要ない
第18章 我が道を行け


FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド(amazonリンク)

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「まぐれ」ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社
「カオスの帝王」スコット・パタースン (著), 月谷 真紀 (翻訳) 東洋経済新報社
「トマ・ピケティの新・資本論」トマ・ピケティ 日経BP社
posted by alice-room at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスC】 | 更新情報をチェックする